#11中谷健心 決勝2位で表彰台獲得!

2025 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第6戦 スーパーバイクレース in 岡山

日時:2025年10月4日(土)~5日(日)
会場:岡山国際サーキット(岡山県)
天気:予選ウェット、決勝晴れ
路面:ハーフウェット

【J-GP3】
#11 中谷健心:予選1番手/決勝2位

【J-GP3 チャレンジクラス】
#51 知識隼和:予選3番手/決勝4位
#52 国立和玖:予選9番手/決勝10位

 前戦オートポリス終了時点で107.5点の尾野弘樹がランキングトップ。71.5点で2番手につける#2若松怜は公開テストで負傷し今大会を欠場となり、逆転チャンピオンの可能性がなくなった。ランキング3番手の#11中谷健心は#1尾野と51.5点差。今大会で優勝すれば25点、最終戦鈴鹿と連勝すれば可能性が残るが、#1尾野が14位以内で終えるか、#11中谷が優勝できなかった段階で、#1尾野の5年連続チャンピオンが決定する。


 土曜日の午前中に40分間の予選が行われ、21台がタイムアタックに臨んだ。金曜日のスポーツ走行から不順な天候は変わらず、時折、強い雨が降り、路面はウェットコンディションとなる。序盤からライバルたちを圧倒するラップタイムを連発したのは#11中谷で、前戦オートポリスでも「雨なら自信あり」と語っていた言葉を証明するように1分53秒台を連続で出し、5周目には1分53秒007までタイムを詰めるが転倒。同じ周に転倒者が続出して赤旗中断となった。2番手は#51知識だが、1分57秒520と#11中谷とは大きな差があった。


 雨がやみ予選は再開され、#51知識が1分56秒台に入れ、1分57秒台に入れた#31テーシン・インアパイが3番手。#51知識は1分55秒247とタイムを上げ、#31インアパイ、#50富樫虎太郎が1分56秒台。最終ラップに#1尾野が1分53秒台を記録するが、#11中谷のタイムには届かず、ポールポジションが確定した。#1尾野が予選2番手、最終ラップに1分54秒758まで入れた#51知識が3番手でフロントローを獲得した。#52国立は1分56秒528で9番手となる。

決 勝

 J-GP3クラスの決勝直前になって天候が回復し、晴れ間がのぞき、路面が乾き始める。ウェット宣言が出されていたが、ほとんどのライダーがスリックタイヤを選択してレースに臨んだ。周回数は2周減算の17周となった。

 ホールショットは#11中谷。#1尾野が続き、乾き始めの路面には濡れた部分が残る難しいコンディションの中で、トップ2台は後続を周回ごとに約2秒引き離し、4周目には8.8秒とビハインドを広げて一騎打ちのバトルとなる。5周目、#1尾野が#11中谷をパスしてトップに立つが、8周目に#11中谷が首位を奪い返す。#11中谷はトップで周回を重ねるが、14周目に#1尾野がトップ浮上すると、そのまま優勝を飾り5年連続でタイトルを決めた。#11中谷は2位でチェッカーを受け、初表彰台へと登った。

 3番手争いは白熱した戦いとなり、#4岡崎静夏、#7松島璃空、#19仲村瑛冬、#50富樫、#51知識が激しく争った。#7松島がマシントラブルで脱落したが、#5高杉奈緒子が追いついた。#19仲村がオーバーランして集団から遅れたが、4台のバトルが続き、最終ラップに突入。ヘアピンコーナーで#51知識が#4岡崎をパスして3番手に浮上するが、最終コーナー立ち上がりからコントロールラインで#4岡崎がスリップストリームを使って再逆転し3位。#51知識が4位、#50富樫が5位、#5高杉が6位となった。#52国立は10位でチェッカーを受けた。

ライダーコメント

#11 中谷健心

「決勝で尾野選手が上がってくることはわかっていたので、後ろでタイヤを温存しようと考えていました。途中で前に出たので、そのまま行けるなら逃げ切ろうと思いましたが、すぐ後ろでずっとエンジンの音が響いていて、逃げられないと思いました。考えていた展開とは逆になってしまいましたが、気合で行けるところまで首位を走りました。でも、ダメでした。反省して次戦に活かしたいと思います。 雨上がりでいつもよりグリップしない印象で、終盤は辛くなったので、タイヤのライフを考えて走れるようになりたいです。自分は限界で走っていましたが、尾野選手は余裕があり、本当に強いなと感じたレースです。 シーズン後半は上位にいられることが増えたのは、メカニックとのコミュニケーションも良くなったことで、バイクへの理解度も進み、前進できているのだと思います。最終戦は、鈴鹿レーシングスクールに2年間所属していたので、全日本開催サーキットでは一番走れているコースなので、優勝を目指します」

J-GP3チャレンジクラス特別参戦優秀賞表彰

#51 知識隼和

「自分の作戦では最終コーナーまで完璧だったんですけど、スリップに入られるところまでは考えてなくて…。ピットで皆が、スリップを使われないようにイン側に寄れって、大きく手を振ってくれていたみたいなんですけど…。全然気が付かなくて、そのまま立ち上がってしまって表彰台を逃しました。考えれば考えるほど悔しくて…。せっかくのチャンスを掴めなかった。期待に応えることが出来なくて、申し訳ない気持ちです。 次の鈴鹿はサンデーに一回出ましたが、そんなに走れてはいないコースですが、今回のように悔しい思いをしないように頑張ります」

#52 国立和玖

「行けると思ってグリッドに並んだんですけど、右のバンクセンサーが外れていて…。いつ外れたのか分からないのですが、序盤からバンクセンサーがない状態で、ちょっと気になってしまい、ペースを上げることが出来ませんでした。最終戦の鈴鹿では装備の確認を含めて、しっかり準備して、今季一番の走りが出来るように頑張ります。」

チームマネージャー
高倉純一

「中谷、知識に関しては出来過ぎの結果となったと思います。中谷は尾野選手にしっかりついて行き、最後まで勝負してくれました。初表彰台を獲得することが出来て、次につながるレースになり、本人も学ぶことが多かったと思います。 知識、国立に関しては、全日本参戦1年目なので、結果を気にせずベストを尽くしながら経験を積んで行くということでしたが、知識は表彰台まであと一歩と迫ってくれました。ピットロードから皆で“こっち、こっち”とやったのですが気が付かなかったようで、もう少しだったので悔しくて泣いていましたが、これも経験です。 国立に関しては今一つ噛み合っていない。彼のダイナミックなライディングが出来ていないと感じるので、そこが出来るようにサポートしたいと思っています。ですが、この結果でも1年目のライダーとしてはよくやってくれていると思っています。 長島哲太さんをはじめ、先輩ライダーがアドバイスしてくれる恵まれた環境にいますので、それを生かして成長してほしいと思っています。 鈴鹿最終戦では、3人共に今季学んだことを示せるようにと思っています」

次戦
「2025 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ第7戦 第57回MFJグランプリ スーパーバイクレース in 鈴鹿」
2025年 10月25日(土)・26日(日) 三重県・鈴鹿サーキット