全日本ロードレース選手権参戦MotoUP Racing始動!

全日本ロードレース選手権参戦MotoUP Racing始動!
シーズン開幕直前PRE-TEST “Round ZERO”に参加

 2025年4月9日(水)~10日(木)の2日間、2025 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズPRE TEST”Round ZERO”がモビリティリゾートもてぎ(栃木県)で開催された。

 MotoUP Racingから、J-GP3クラス(2012年より250cc単気筒4ストロークレーサーで争われている。MotoGPロードレース世界選手権Moto3クラス直系のカテゴリー)にHonda NSF250Rを駆りMiniGP卒業生の#11中谷健心、#51知識隼和、#52国立和玖が参加した。

 中谷は全日本フル参戦2年目、昨年はけがもあり欠場が響きランキング11位だったが、今季はマシンがグレードアップされ勝利を目指す。チームのエースライダーとしての活躍が期待されている。知識と国立は初参戦となり、MiniGPから彼らを見てきた高橋純一が監督としてチームをまとめる。MiniGPから、彼らのアドバイザーである長島哲太も引き続き指導にあたる。

 日本国内のモーターサイクルスポーツを統括する一般財団法人モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)は、J-GP3クラスに参戦する若手ライダー育成を目的に12歳~18歳のライダーを対象に『特別参加枠』チャレンジクラスを設けており、知識と国立はこのクラスで参戦する。ノーマル仕様のマシン、タイヤでの参加だ。

 チームは異なるが、2023年MiniGPチャンピオンの富樫虎太郎も特別参加枠・チャレンジクラスでJ-GP3クラスに参加する。2024年MiniGPチャンピオンの知識、ランキング2位の国立は、この環境で全日本トップレベルのライダーにどこまで迫ることができるかを課題として挑む。

 さらに特別参加枠チャレンジクラスの上位者にはアジアタレントカップ(MotoGPロードレース世界選手権への登竜門)推薦の可能性がある。MiniGPの先輩である池上聖竜、松山遥希らがアジアタレントカップで活躍しており、そこへの参戦を明確な目標としている。

 事前テストJ-GP3クラスには20台が参加した。もてぎのコースレコードは2024年4月1日に荻原羚大(今季はアジアタレントカップ参戦)が記録した1分59秒719であり、レコードブレークにも注目が集まった。

 テスト1日目、1回目の走行は8時30分から40分で行われた。MiniGPのアドバイザーでもある尾野弘樹が2分01秒630でトップタイムを記録。中谷は2分04秒258で5番手タイムを記録した。国立が2分05秒456で6番手、知識は2分05秒760で8番手となり、トップ10に食い込んだ。

 2回目は13時20分から40分間の走行。若松怜が2分00秒450でトップ。中谷も2分02秒199とタイムを詰めて4番手に付けた。国立が2分05秒102で11番手、知識が2分05秒418で12番手。富樫が2分04秒301で9番手となる。

 総合結果では、2回目にほとんどのライダーがタイムアップしており、順位は2回目の順位と変わらず、中谷が4番手、国立が11番手、知識が12番手となった。

 テスト2日目も1日目と同じタイムスケジュールでテストが行われた。1回目、若松が1分59秒669を記録、レコードブレーク。中谷は2分01秒997で4番手。知識が2分03秒824で6番手、国立は2分03秒824で5番手と上位に進出した。

 2回目には尾野が若松のタイムを超えて1分59秒523でトップタイムを記録する。中谷は2分02秒539で6番手。知識は2分03秒883で9番手、国立は2分04秒075で10番手となった。

 総合では尾野がトップとなり、中谷は6番手、富樫が7番手となり、知識が9番手、国立が10番手で走行を終えた。

 中谷「テスト1日目の目標タイムは2秒台に入れることでしたが、そこには届くことができました。ただ、2日目は00秒台に入れたいと思っていましたが、記録できずに終わったので納得がいかず、悔しいです。尾野さんや、自分よりもタイムを出している人の後ろについて、自分のライディングの違いを見つけて、速く走るためのポイントを学びたいと思ったのですが、タイミングが合わず、つくことができませんでした。それでも、昨年とは違うバイクの特性をこの2日間で知ることができたので、充実したテストができたと思います。開幕戦では、走行初めから速いペースを上げられるようにしたい。焦ってはいけないとは思いますが、練習をして準備したいです」

 知識「目標は2秒台に入れることでしたが、ダメでした。バンク角が浅いため、立ち上がりにスピードをのせられない。これはMiniGPの時からの課題です。各コーナーでそのロスが響いて、曲げられず、開けられず、タイムにつなげられない…。この課題にしっかり取り組み、練習して、開幕戦ではチャレンジクラスのトップを絶対に取りたいです」

 国立「最後のアタックで2秒に入れようとしていました。セクター1、2のタイムが良くて、セクター3、4でもタイムを詰めることができて2秒台に入れるペースだったのですが、ビクトリーコーナーで遅いマシンに引っかかってしまいました。2秒台を記録できなかったことは悔しいですが、2秒台は記録できると思えたので良いテストができたと思います。開幕まで練習して6位以内を目指します」

 高橋監督「知識、国立はもてぎを走るのが2度目なので走り込みを中心としました。タイム的にはもっと欲張りたかったが、多くを吸収してくれたと思います。MiniGPのライバルでもあった富樫が参戦していることは、二人の刺激になっています。切磋琢磨(せっさたくま)して成長してほしい。中谷に関しては電気系のセッティングの課題が残り、J-GP3の開幕戦となるSUGO戦までに解決して挑みます」

 J-GP3クラス開幕は5月25日に全日本ロードレース選手権第2戦スポーツランドSUGOで開催されます。